看護師の休日事情
体力的に厳しくストレスも多い職場で働く看護師には、十分な休養が必要です。看護師は土日休みで働く人に比べると、休みが多いのでしょうか、あるいは少ないのでしょうか。十分な休養を取れる環境にいるのかどうか、看護師の休日の現状を紹介していきます。
最良の看護には休日が大切ですが…
看護師はストレスが多く、肉体的にも厳しい仕事です。休日の質と量がきちんと確保されていることが、最良の看護をするために大切になります。しかし看護師の勤務形態はシフト制が基本です。日勤、夜勤、準夜勤などの不規則な勤務を組み合わされていますので、実際にどの程度休みが取れているのか分かりにくい面があります。実のところ看護師の休日の質と量は、適正に確保されているのでしょうか。土日休みの一般の職場の休日の平均である年間「約125日」を基準にしてチェックしていきましょう。看護師が働く職場の平均の休日は、年間「約110日」という調査結果が出ています。土日休みの職場に比べると年間で2週間ほど休みが少ないことがわかります。また職場によってばらつきが多いのも特徴です。休みが少ない職場で働くことになると年間の休日数が約80日前後になります。
24時間シフト制の職場の休日数
入院病棟がある大学病院や大型の医療機関、高齢者の生活施設で働く看護師の休日はどうなっているでしょうか。入院病棟がある医療機関の看護師が、なぜ複雑な勤務形態になってしまうかといえば、病院が24時間の看護体制を取っているからです。夜中だけ看護師がいなくても大丈夫、というわけにはいきません。シフト制にして職場の看護師全員で24時間の勤務時間を埋める必要があります。シフトは2交代制、3交代制というローテーションで回すことが多いです。休日の取り方でいえば、「4週間で8休日」というパターンが多くなっています。必ず週に2日間休みを取るのではなく、4週間という長いスパンで最終的に8日休みを確保します。4週8休は、土日休みと同じ休日数が確保できそうですが、年間の休日数に直すと104日になります。看護師の平均年間休日数よりもかなり少なくなります。また「1か月に8休日」の職場では、年間休日数が96日とさらに休みの数が少なくなります。正確な数字を知らないと、土日休みと同じくらい休めるような錯覚に陥るかもしれません。
クリニックや個人病院の休日
クリニックや個人病院の営業は、週1日午後休み、さらに日曜日と祭日が休みというパターンが多いです。半日診療の日を「休み」に数える職場も多く、そうなると年間休日数が100日を切ってしまいます。個人病院の場合は院長次第で休日の数が変わります。ただし一般企業のように、お盆や年末年始が休みというケースが多いです。クリニックや個人病院に勤務している看護師は長期休暇を取れるというメリットがあります。また企業や学校が職場という看護師は、企業や学校の休日が看護師の休日になります。土日休みの勤務体系を採用している企業が多いため、年間休日数は120日以上確保することが可能になります。